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女性に暴力を振るう彼氏、最低ですね。
彼がそんなに悪い人とは思えないし、他の誰よりも優しくしてくれるのも彼だったりします。
まさか、今後もそれが続くとは思えないけれど、DVの被害者って、みんな最初はそう思っているのかもしれないし…。
そんな不安でいっぱいのあなたに、DV男を見分ける方法や別れ方を書いていきます。
もくじ
DV男にありがちな言動
隔離し独占したがる
あなたの彼氏は、あなたが友だちや家族と一緒に過ごすことを嫌がりませんか?
親離れ子離れできてないんじゃない?
また、交友関係に介入してきたりしませんか。
大学どこ?
ちゃんと友だちは選ばないと。
見せられないようなやましいことがないなら大丈夫だよね?
あなたが外ですることを馬鹿にする
あなたが向上心をもって何かの資格にチャレンジするとき、応援してくれますか?
聞いたことない資格だけど。
ことさらに、小馬鹿にしたような態度を取りませんか?
書いてあることわかるの?
外で活躍しようとするとき、彼はなぜかそれが喜べず、不機嫌に黙り込んだりしませんか。
感情にむらがある
何よりも、あなたを殴った後で、大げさなほどの愛情をあなたに見せたりしませんか。
と泣いて反省の弁を述べたのに、二度目、三度目…がありませんでしたか。
そんな彼は、DV男の可能性大です。
ではDV男を大まかにタイプ別に見ながら、彼と交際を続けた時の展開を考えてみましょう。
タイプ別DV男の背景と心理
家族の外でも暴力的な「粗暴タイプ」
「あの人ならやりそう」と言われるような人
1つ目のタイプは、いつも粗暴な「粗暴タイプ」です。昭和時代の、古いタイプの「男らしさ」を背負って生きているタイプといえるでしょう。
ポイント
裏表がなく、普段からどちらかというと言動は乱暴です。
同性との間でも、暴力をともなう喧嘩の経験もあり、それは武勇伝として自慢されるかもしれません。
体育会系の組織や男尊女卑の強い地方出身など
特に、体育会系の部活や組織に所属した経験を持っている男性や、また男尊女卑の思想の残る地方の出身者には、少なからずいるでしょう。
このタイプの彼は、自身をとりまく環境が男尊女卑の文化を持っていて、そこに適応して生きているうちに男尊女卑を内面化してしまったと言えます。
ポイント
内部で体罰やシゴキが当たり前にあるような組織に属している彼の場合、暴力で相手に教える、伝えるという文化に彼が染まっていても不思議ではありません。
職業で言えば、婚活市場で人気銘柄である自衛官や警察官にも多く見られるでしょう。
これからの教育や環境次第では変われる可能性も
彼がこの粗暴タイプの場合、問題はそれほど根深くはありません。
まず、この粗暴タイプの場合、あなたが彼のことを周囲に相談しても、
いかにもありそう。
と理解を得られそうな点があげられます。
ポイント
後述するような典型タイプの場合には、あなたの話を周囲は信じないかもしれませんが、このタイプの場合には、周囲の協力が簡単に得られます。
そしてまた、周囲に同性(男性)の友人が多いのもこのタイプで、彼の先輩や友人に相談するのは効果的です。
周囲に相談でき、孤立せずに済むという点で、後に述べる共依存の深みにはまっていく可能性も低いのは、大きな救いと言えます。
彼はあなたを支配することに依存していないからです。
そしてまた、彼は、自身を取り巻く環境から、「暴力あり」の価値観をまとっているだけですから、女性がうまくリードすることで「女性に手を挙げない本当の男らしさ」を新しくインストールすることも可能です。
「体格や腕力で劣るものを守ることが真の男らしさであり、手をあげるなど論外だ」と導ければ慢性化はしないでしょう。
彼は、一般の男性よりも強く「男らしく」あることを望んでいる人です。
一緒に食事をした場合、割り勘せずに自分が二人分払おうとするタイプです。
もし、将来的にパートナーになった場合、お金について細かく口出しするのは「男らしく」ありませんから、家計はあなたに任せてくれる可能性が高いです。
「男は稼いで家族を養うもの」とも考えてもいますから、妻にはせいぜいパート労働くらいしか求めないかもしれません。
この点は、女性から搾取したがる経済DVの見られる他のタイプとは正反対です。
男らしく頼られ、評価され、感謝されることを望んでいますから、
と思っている女性にとっては、候補となりうる男性かもしれません。
DVのある家庭で育った「連鎖タイプ」
暴力のあった家庭で育っている
次に、彼自身が育った家庭の中に暴力があった「連鎖タイプ」を見ていきましょう。
彼のご両親の関係を尋ねたことはありますか?
- お父さんがアルコールが好きで、酔っ払ってはよくお母さんを殴っていた。
- お父さんがいつ怒り出すかわからないから、お母さんも僕も怯えて暮らしていた。
- お母さんは時々家出していたけど、結局戻っていた。
こんなエピソードがあったら要注意、彼は「連鎖タイプ」のDV男かもしれません。
このタイプの男性は、いわば生まれながらのDV男性なので、矯正は難しいでしょう。
自信のなさから幼稚な独占欲が強くなる
連鎖タイプの男性は、まず、不安定な両親のもとで、安定した愛情を注がれずに育ちました。
ポイント
親から無条件に愛され、大切にされるという経験がないため、自己の核となるものがなく自信がありません。
自信の「なさ」を隠すために、尊大な態度を取っているかもしれませんが、内面は弱く寂しい幼児のような人間です。
そういう男性は、女性に対して
と望みます。
幼児期に母親に十全に注がれなかった愛情や関心を、女性に求めていると考えればわかりやすいでしょう。
また、他の男性と比較された時、
と予感しています。
捨てられないためには、彼女の視界に自分しか入らないようにしなければなりませんし、
できるだけ外部から隔離して、幼児と母親のようにニコイチ(二人で一人)でいたいと望みます。
なんて意見や知恵をつけるような友人に、周囲にいてほしくないわけです。
自然にスマホの履歴をチェックするようになり、彼女の交友関係にも口出しするようになります。
本当?
一緒にいる写真を写メして見せるようにして。
と、アリバイを求められていた女性もいました。
とチェックしては、彼女の連絡先から気に入らない番号を消去するケースもあるあるでしょう。
こうして、自然と彼女は社会的に隔離され、彼と彼女だけの閉じられたニコイチの関係が出来上がってきます。
外でも学校や仕事が続かず成功体験が少ない
そしてまた、彼女の向上心や社会的成功も彼は喜べません。
ポイント
彼自身が学校や社会のなかでうまく立ち回れず、成功体験が少ないのです。
それは育った家庭環境の影響も多く、彼は不運な被害者でもあるのですが、彼女が外で成功しようとするとき、彼はその喜びを素直にシェアできず、まるで置いていかれた幼児のような寂しさを味わいます。
嫌味かよ。
と怒り出すかもしれません。
僻みっぽく、彼女の足を全力で引っ張るような小細工もしてきます。
暴力はこのニコイチの関係の中で感情が爆発したときにおきますが、暴力以外の精神的暴力や社会的隔離が、往々にして交際初期から始まっています。
育った家庭の文化を再現する
人は、自分が育った家から文化や習慣を学びます。
学ぶつもりはなくても、自然に身についてしまっているのが家族文化です。
そして人は、自分が育った家しか知りませんから、それが当たり前のものとして大人になります。
交際や結婚した後の男女間のトラブルの主な原因は、異なる文化どうしのぶつかり合いと言っても過言ではないでしょう。
常にテレビがついている家庭で育った人間と、テレビは必要な時にだけ見ていた家庭で育った人間が一緒に暮らすのは、たかがテレビですが大きなストレスを生むことでしょう。
日常的な習慣に関わる事柄ですし、身についた生活習慣を変えるのは大変なことだからです。
不健全な人間関係の雛形
連鎖タイプの男性の問題は、自身がメンヘラであることに加え、コミュニケーションの方法や対人関係の形もまた、両親のそれをコピーして生きてしまっている点です。
言葉で説明せず、しばらく黙っていたかと思うと、急に不機嫌になり殴る父を、殴られては泣いて、時に家出しては結局帰ってくる母を見て育ちました。
人間と人間、男性と女性の関係とはこのようなものだと、人間関係のひな形が彼の中で出来上がってしまっています。
生まれながらのDV男性
長じて彼は、交際相手の女性を躊躇なく殴る男性になるでしょう。
それが当たり前だからです。
それが当たり前だから殴ります。
外から帰ったら手を洗うのと同じ、習慣のようなものといえばわかりやすいでしょう。
その分、彼の中に深く内面化してしまっていますから、彼を変えることは不可能に近いと言えます。
一方で、女性の側も、似たような家庭で育っている場合、こういう男性に吸い寄せられやすく、また離れがたくなります。
お互いに閉鎖的なニコイチの関係を望んでいますから、後に述べる共依存の関係が早くに出来上がります。
二者関係の中でだけ暴力をふるう「典型タイプ」
裏表が激しくあなたの前でだけ豹変する
行動嗜癖と呼ばれる「典型タイプ」に話題を移します。
ポイント
彼は、連鎖タイプの男性とは違い、社交的で自信に満ち溢れています。
外では人望も厚く、社会的ステイタスも高いかもしれません。
第一印象はとても良く、何でもそつなくこなすやり手と言えるでしょう。
実際に、彼女以外の人は彼をそのように評価していますから、彼女が周囲にDVについて相談しても、
信じられない。
と言われてしまったりします。
そうして、なかなか相談もできず、彼女は一人で抱え込み、深みにはまっていくケースが「典型タイプ」です。
ギャンブルやゲーム等、特定の行為に依存する病気がある
彼の正体とはなんでしょうか?
ポイント
実は、出会った時にはごく普通の男性だったかもしれません。
最初にふるった暴力は、何かの事故のような偶発的なものだった可能性もあります。
それが「癖」になり、どんどんエスカレートしていくのが「典型タイプ」です。
昨今、IR法案の報道に関連して「ギャンブル依存症」について周知されるようになりました。
アルコールや薬物等、物質を身体に取り込むタイプの依存症以外に、ギャンブルやゲームのように、特定の行為やプロセスに依存する病気があるのです。
行動嗜癖とは、特定の行為から得られる刺激や安心感にのめりこみ、やめられなくなって、日常に支障を生じている状態をさします。
実は典型タイプの男性の暴力にも、同じ機序が働いていると考えられています。
いじめ/支配の楽しさや暴力の刺激を脳が求めるようになる
アルコール依存症と比較しながら、典型タイプの暴力について見ていきます。
アルコール依存症になる人は、飲酒によって脳内にドーパミンが放出され強烈な快感をおぼえ、それは行動に対する結果として海馬に記憶されます。
など、飲酒自体が目的ではなく、飲酒によって得られる楽しさや「うまくいく感じ」を学習します。
同じように、典型DV男になる男性は、最初に殴ったときに「楽しい」「興奮する」刺激を覚えます。
暴力をふるい支配することが楽しいと感じる人は一定の割合で存在していて、それはイジメ、ハラスメントが大人の世界でも常にあることを考えると納得できるでしょう。
そういう嗜虐性を裡に秘めた人間が、最初の暴力というトリガーを経ていじめる楽しさに目覚めると、その快感を求めてこれを何度も繰り返すようになります。
など、普段自分の中で抑圧していたものを出す快感があることは、DV男性の当事者グループの中でも語られるものです。
アルコール依存症者は、飲酒という刺激を何度も繰り返すうちに、同じ酒量ではそれまで得られていたような快感があまり感じられなくなってきます。
ドーパミンの受容体が減少することで耐性が出来てしまい、同じ快感を得るために飲酒量や頻度が増えていきます。
同じように、典型タイプのDV男性の頭の中でも、同じ程度の暴力では「楽しさ」や興奮が得られなくなっていきます。
「もっと、もっと」とさらなる刺激を求める衝動がおさえがたく湧き上がってきます。
頬を張る暴力があごが外れるような激しい暴力へ、月イチくらいだったのが週一へとエスカレートしていきます。
そしてまた、依存性者の感情面にはサイクルが見られます。
アルコール依存症者は飲めない状況にある時、そわそわイライラし、それは普通の人の喉の渇きにも似た切迫した飲酒欲求となって平常心ではいられなくなります。
そうして一杯を手に入れた時、解放感や安心感を味わいます。
DV男子の感情面サイクル
- 暴力をふるいたい時、神経がぴりぴりしてくる感覚を持ちます(緊張期)。
- イライラして、何に当たろうか探します。
- 暴力自体が目的ですから、被害者に何の落ち度もなくても、過去の何かを思い出す等で怒りを爆発させます(爆発期)。
- そして暴力をふるった後で、緊張から解放され安堵し、被害者に謝る「ハネムーン期」を迎えます。
他の依存症でも同じですが、この脳内の報酬回路ができてしまうと回復は難しくなります。
DVを受け続ける過程で二人の間に起きていること
自尊心が奪われ、被支配の立場に馴染んでいく
では、DVを継続的に受けるとき、女性の側に何が起きているのでしょうか。
DVを受けながらもDV男性とくっついている女性を外側から見ると、
すごいマゾっ気でもあるの?
と不思議になってしまいます。
離れられないような何かが二人の間に起きているのでしょうか?
その関係に馴染み、相手を顔色をうかがうようになる
まず、被害女性は、罵倒されたり殴られたりするうちに、彼よりも圧倒的劣位に置かれるようになります。
対等な関係ではなく、彼の顔色をうかがって機嫌をとるような癖がついてきます。
だんだん、彼がそう繰り返すように
私は自分では何も判断できない人間だ。
と思うようになっていき、支配被支配の関係が強固になっていきます。
友人や家族等、他の交友関係が保たれていれば、それほど極端に認知が歪むようにはならないのですが、DV男は往々にして社会的隔離もしているため、彼しかいない世界でいわば洗脳が進んでいきます。
別れない人の理由の半数が「相手が変わってくれると期待して」
また、繰り返されるDVに「ハネムーン期」があるのも、離れられない要因の一つでしょう。
ハネムーン期とは、激しい暴力をふるったあとで、
俺が悪かった!
謝罪し反省し優しくしてくる期間を指します。
ときに涙を見せたり、サプライズでプレゼント攻勢をしかけたりもします。
女性の側も、
この人は本当はこんなに優しい人なんだ。
私の側にも落ち度があるから殴るのかもしれない。
と考えてしまいます。
「男女間における暴力に関する調査報告書」によると、交際相手と別れなかった理由として、約半数が「相手が変わってくれるかもしれないと思ったから」と答えています。
共依存になると深みにはまっていく
そしてまた、DV男性と共依存の関係になってしまった結果、別れられない女性も多くいます。
共依存になってしまった女性は
もう別れる!
と言いながらも、心の何処かでは一緒にいることを望んでいます。
男性は暴力と支配の相手として被害者に依存していますが、女性はそういう特殊な形で自分に依存する相手を望むようになります。
と思うようになります。
この共依存の形にはまり込んでしまうと、DVから抜け出すのは非常に難しくなります。
「共依存」も、もともとはアルコール依存症とそのパートナーの間の特殊な結びつきをそう呼ぶようになったものです。
依存症者の近くには、その人が依存症でい続ける手伝いをしている人が必ずいると言われています。
その人は「駄目な依存性者」に頼られ、依存されることに自分の存在価値を見出しています。
こういう関係になると、もうどちらが被害者でどちらが加害者といったものではなく、お互いに組んず解れつしながら、その関係を維持している運命共同体のようなものと言えるでしょう。
警察に行っても届けを取り下げ、数日後にまた通報してくる常習者
現職警察官に聞いた話ですが、DVの通報は常連さんによるものが殆どだそうです。
という通報が入り、住所と氏名を確認し現場に向かう時、「あーまたいつものあの人か」とうんざりするケースが殆どなのだそうです。
そういう女性は、加害者を逮捕して勾留しても、翌日には当たり前のように被害届を取り下げにきます。
と警察に怒りをあらわにして、二人仲良く帰っていくのですが、数日後にはまた「夫に殴られた」と、被害者として通報してくるそうです。
DV男性に殴られたかわいそうな被害者として処罰感情を訴えた翌日には、DV男性の味方につき、優しく庇い自宅に連れ帰るのですから。
そしてまた、こういう被害女性をシェルターにつなげても、やっぱりすぐに戻ってきます。
そうして戻って殴られて「被害者」としてまたシェルターに駆け込む、それを繰り返します。
既婚者では、DV被害者のうち実際に離婚するのはたった1割
こうなると、純粋な「被害者」がいるのかどうか、怪しくなってきます。
実際、「男女間における暴力に関する調査報告書」によると、既婚のDV被害者のうち、離婚した人はたった1割に留まります。
と我慢する女性も多いのですが、ではDVの関係の中に留まる時、子どもにはどんな影響があるのでしょうか。
機能不全家庭で育つ子どもへの影響
面前DVは児童虐待
子どもの前で繰り広げられる「面前DV」は児童虐待です。
黙っていたかと思うとみるみるうちに不機嫌になり暴力をふるう父親を見て、他人の顔色をうかがいながらびくびく生きるようになるかもしれません。
また、自分自身も、感情を言葉で伝えず黙り込んだり、不機嫌をあらわにすることで相手をコントロールする人間になるかもしれません。
別れてやる!
と泣いた翌日には、父親と仲良くしている母親を見るうち、人の言うことは信じるに足らないものだと思うようになるでしょう。
虐待、暴力の世代連鎖
何より、依存症とは時間を止めておくことだと言われています。
子どもは、世間のみんなが楽しむようなクリスマスや誕生日や習い事の発表会などの子どものイベントもなければ、
お花見や家族旅行などの季節の家族イベントもないまま、
親のDVに振り回されるだけの子ども時代を送ることになるでしょう。
そうして、機能不全家庭で育てられる子どもは、長じてDV男性やメンヘラ女性になり、両親のそれと同じような、パートナーとの不健全な関係を再生産することになります。
アルコール依存症の家庭で育った男の子は、そうでない子より4倍の確率で依存症になり、女の子はアルコールや暴力等の問題のある男性と一緒になりやすいというデータがあります。
DV男への対処と別れ方
そんな男性と一緒になってしまう前に、不幸の芽は早めに摘んでおく必要があります。
ここでは、具体的な別れ方についてご説明します。
まず、
と疑わしい気持ちがあるときや、緊急ではない場合には、内閣府男女共同参画局が運営しているDV相談窓口(全国共通 0570-0-55210)に電話してみましょう。
ここでは、あなたが受けているDVについて聞いてくれて、最寄りの相談機関や、具体的に受けられる支援について教えてくれます。
次に、パートナーからの暴力が深刻で、身の危険を感じているような状態の時には、都道府県に置かれている配偶者暴力支援センターを頼りましょう。
「お住まいの都道府県 配偶者暴力支援センター」でぐぐってみてください。
こちらにはシェルターもあるので、緊急保護も受けられます。
※シェルターの住所を公にするわけにはいかないため、サイトには連絡先しか記載されていません。
シェルターを利用する
では、実際にシェルターに入った後の流れについて説明します。
公的シェルター
配偶者暴力支援センターの運営するシェルターは、夫婦か事実婚、同棲の関係にある場合に入れます。
生活に必要な家電製品や家具などはそろっており、着の身着のままで大丈夫です。
もちろん無料で利用できます。
4つの保護命令を発令してもらう
あくまでも一時保護が目的なので、二週間程度しかいられませんが、この二週間の間に以下のような支援が受けられます。
1.市区町村へ住民票などの発行禁止の手続き
これにより、加害者から「被害者の住民票や戸籍の附票の写しの交付」等を制限し、被害者の住所が加害者に知られることを防ぎます。
2.裁判所への保護命令の手続き代行
裁判所に保護命令を発令してもらうことで、加害者があなたの住居や勤務先、学校の周囲をうろつくことや、あなたの実家や親しい人の周囲に行って接触することをを禁じます(被害者への接近禁止命令、被害者の子または親族等への接近禁止命令)。
また、一緒に住む家から追い出し(退去命令)、メールや電話で連絡をとってくることを禁じます(電話等禁止命令)。
3.警察への連絡
「ここにDV被害者がいる」と警察内部で情報共有してもらい、あなたの居住地付近をパトロールしてもらいます。
4.新生活の準備
新しくアパートを借りる準備や、仕事の斡旋をします。
もし、経済的な自立が難しい場合には、生活保護の手続きをします。
結婚している場合には、離婚調停の手続きや、お子さんの学校の手続き、弁護士の斡旋までやってくれます。
ただ、公的なシェルターは生活の一部に制約もかかります。
ポイント
具体的には、スマホや携帯電話など、GPS機能が付いているもの、外部との通信手段となるものは、電源を切ったうえで相談員に預けることになります。
それは、シェルターの所在地を他の誰かに知られないためであり、また、共依存の強い女性の場合には、すぐにパートナーに連絡をしてしまうのを防ぐためでもあります。
実家や職場など、どうしても必要な場合にはシェルターの電話を借りられます。
また、外出の制限もあります。
買い物などは相談員が同行します。
私的シェルター
NPO法人や社会福祉法人が運営するシェルターは、夫婦や事実婚でなくても利用できます。
そして、外出の制限などはなく、ほぼ自由に生活できますが、有料です。
一日千円~二千円くらいでしょうか。
公的なシェルターがあくまでも一時保護で二週間程度しかいられないのに対し、こちらは長期間入っていることが出来ます。
弁護士会が運営している場合も多く、離婚に向けての手続きはスムースに進むようです。
自分自身が回復する
離れた後で、あなたはどうしようもない寂しさや虚無感に襲われるかもしれません。
もう一度やり直そう。
と思う時もあるでしょう。
共依存の他にも、激しいDVを受けていれば、PTSDの症状が出る女性も少なくありません。
DV被害者に最も多い精神健康障害はうつ病と外傷後ストレス障害(PTSD)であり、シェルターに逃げてきた被害者に対する調査では、うつ病は4割から6割、PTSDは3割から8割の被害者に診断されます。
引用元:e-ヘルスネット
そのような場合には、メンタルクリニックに行きましょう。
自助グループの活用
また、地域の女性センターや生涯学習センターの中に、当事者グループがある場合も多いので、あたってみると良いでしょう。
特に、
- 離れても彼のことが気になって仕方ない
- 離れてから、空虚になってしまった
と感じられる人は多いのですが、そういう場合には、当事者の自助グループは大いに力になってくれるでしょう。
「DV 自助グループ」「共依存 自助グループ」などでぐぐってみてください。
途中で志を入れる袋が回ってきますが、多くの人が100円程度を入れています。
参加者は匿名だったり、自分でつけた好きな名前を名乗って順番に話をしますが、話さず聞いているだけでも大丈夫です。
DVのパートナーから先に離れ、回復している先達の話に大いに勇気づけられ、ヒントを得られるでしょう。
同じ体験をした人が、ちゃんと社会復帰しているだな。
と思えることも心を強くしてくれます。
そしてまた、ミーティングの中では、彼の話ではなく「私はこう思った」と自分を主語にして自分の体験を語るよう促されます。
今まで自分の人生の真ん中に鎮座していた「彼」の存在が小さくなっていき、それまで萎縮していた「私」が人生の主役として戻ってくるのを感じることでしょう。